検索エンジン上位表示への道
PART1 キーワードを抽出する
イントロダクション
最近、検索エンジンがらみで面白いものをみつけた。
KARAO's Web Special「検索エンジンの実力 徹底比較」
KARAO.comというJ-POP系の音楽情報サイトで、「アーティストの公式サイトを見つけやすい検索サイトはどれ?」というテーマのもと、主要6検索エンジンの徹底比較を行っているのだ。それによると、最もポイントの高かったのがLYCOS、次いでYahoo!、infoseekと小差で続き、逆にgoo、exciteのポイントは低く、その両グループの中間に位置するのがFresheyeという結果。個人的にはめったに使わないLYCOSが好成績で、一般的には評価が高いように思える(自分だけ?)gooの成績が振るわずというのが意外だった。もちろん、これは特定の目的に使った場合の話だが、こういうメジャーな検索エンジン、しかも同じロボット型でも、歴然と得手不得手な分野が存在しているというのは興味深い。
まあ、そんなわけで、検索エンジンというのもなかなか奥が深い世界だ。大体、検索エンジンに登録型とロボット型があるなどということは、一ユーザーに過ぎなかった頃は知らなかった、というか気にも止めていなかった。METAタグなるものの存在を知ったのは、このサイト(BRnet Web Paradise)を立ち上げるにあたっていろいろ調べるようになってからだし、検索エンジンでの上位表示が有料のサービスとして成り立っているなどというのもこの仕事(ウェブ制作)を始めてから知った。検索エンジンに限らないが、インターネットについて受け手と送り手の境界をひとたび越えると、その向こうには底なしとも思えるほどの世界が広がっていることを知るのだ。
さて、本コラムのテーマはその「検索エンジンで上位表示させる方法」である。Yahoo! でもinfoseekでもどこでもいいが、「検索エンジン」とキーワードを入れ、さらに「上位表示」で絞り込んでみると、いくつかの業者が検索エンジン上位表示のサービスを行っていることがわかる。そう数は多くない。10か20かその程度だ。そして、それぞれのサイトを覗いてみると、見事なほどにその方法はどこも明かしていない。当たり前だ。明かしてしまったら商売として成り立たないのだから。
しかし、そうなるとますます知りたくなってくるではないか、それもタダで。アクセス向上の鍵ともなる検索エンジン上位表示はウェブマスタ共通の関心事、ノドから手が出るほど欲しい情報である。ウェブマスタのための応援サイトを標榜する当サイトとしても見過ごすことのできないテーマだ(というか私自身が一番知りたい)。そんなわけで、本レポートでは検索エンジン上位表示のテクニックを研究するとともに、その成果を公開してみたい。以下、その試みをお伝えしていく。
infoseekとはどんな検索エンジンか
冒頭に紹介した例からもわかるように、一口に検索エンジンといっても、それぞれサーチの仕組みは異なるし、個性というかクセみたいなものがある。当然、上位表示させるためのテクニックも異なるはずであり、個々の検索エンジンに応じた対策が必要になってくる。で、今回、取り上げるのはinfoseekである。個人的には最もよく使う検索エンジンであり、ロボット型の検索エンジンの中でも代表格と言っていいと思う。まず最初に、その特徴をざっと押さえておくことにしよう。
1)ロボット型の検索エンジンである
繰り返しになるが、infoseekはロボット型の検索エンジンである。しかし、ここまで特に何の説明もせず、ロボット型という言葉を使ってきているので、念のため一番基本的なところを押さえておきたい。まず、検索エンジンには大きく分けて「登録型」と「ロボット型」がある。「登録型」というのは、人間が手動でデータベースにサイトを登録していくシステムであり、その代表格は言わずと知れたYahoo! である。それに対して「ロボット型」は、スパイダーとも呼ばれるロボットプログラムが定期的にリンクをたどってインターネット上のサイトを自動的にデータベースに登録していく。したがって、基本的には「登録」という作業は必要ないわけだが、他のサイトと全くリンクされていない場合などはロボットが巡回しないことがあるので、ロボット巡回の申込みという意味で「登録」が必要になってくる。また、ロボットを優先的に巡回させて更新の内容をいち早くデータベースに反映させたい時なども「登録」が有効。データベースに登録されると、あるキーワードで検索した時、そのキーワードに関係のあるサイトなら検索結果として表示されるようになる。そして、その表示の順位が高ければ高いほどアクセスしてもらえる確率も高くなるというわけだ。
2)登録が簡単で速い
で、その登録方法だが、infoseekは登録画面から登録したいページのURLを入力し、チェック後、送信するだけ、メールアドレスの記入も必要なし、といたって簡単。3日〜4日(土日、祝日を除く)でデータベースに反映されるようになる。登録数が少ない時期だと1日で反映されることもあるようだ。この辺の簡便さと処理の速さは登録する側にとってありがたい。それに、このようなレポートが可能なのも結果がすぐ出るinfoseekならではだ。
3)METAタグが有効な検索エンジンである
ロボットはページのタイトル(TITLEタグ内の記述)や本文などを参照してデータベースを構築していくが、infoseekの場合、タイトルと本文だけでなくMETAタグも読み込んでくれるのが大きな特徴である。ロボット型検索エンジン対策としてMETAタグの活用はよく言われるが、実際にMETAタグが有効なものは意外に少ない。私が知る限り、メジャーな検索エンジンでは、infoseekとInfoNavigatorくらいである。ちなみにMETAタグとはHTMLタグの一種で、<META name="keywords" content="〜">とか<META name="description"content="〜">というもの。これをHTMLファイルの<HEAD>と</HEAD>で囲まれた部分に入れておくと、ロボットがそのデータを読み込み、特定のキーワードでヒットしやすくなる、またサマリー(検索結果のページに表示される説明文)が設定できるというものである。
ほか登録上の注意も含めて、下記URLで詳しいヘルプが見られるので参考にされたい。
http://www.infoseek.co.jp/Help?pg=help_touroku.html
これが上位表示の失敗例
さて、基本的な部分を押さえたところで、さっそくinfoseek上位表示のテクニックを探っていくことにしよう。まず、上位表示のための特別な工夫を全く行なっていない状態を確認しておく。当サイトを初めてinfoseekに登録したのは2000年6月初めで、以来度々METAタグの内容、およびタイトルの変更を行なってきたが、8月11日時点では以下の通りだった。
タイトル:ウェブマスタのための応援サイト
keywords:ドメイン, ドメイン取得, 独自ドメイン, サーバ, レンタルサーバ, レンタルサーバの選び方, ホスティング, ホスティングサービス, ホスティングサービスの選び方, ウェブ制作,ウェブ制作会社, ホームページ制作, ホームページ制作会社, アクセス向上,アクセスアップ, 検索エンジン, 検索エンジン登録, 専用線, 常時接続, 掲示板, BBS
description(サマリー):ウェブ制作に進出したデザイン会社の社員が自ら体験して得たウェブ立上げ/運用のノウハウを公開していくサイト. 掲示板ではウェブ関連の質問や相談を広く受け付けています
タイトルは本来「BRnet Web Paradise」という英文の方だが、これではサイトの内容が伝わりにくいということで、この時点では和文のサブタイトルの方を採用している。keywordsは、少々欲張りだが、当サイトの扱っているテーマ、コンテンツをもれなく網羅するべく設定したもの。サマリーもただ内容を要約するのでなく、今後の展開も含め見た人に興味を持ってもらえるような表現にしたつもり。と、上位表示のための特別な工夫を全く行なっていないとはいっても、それなりに考え抜かれたものだったのだが、検索結果はこうだった。
- 「ドメイン」で検索→上位50件に表示なし
- 「ドメイン取得」で検索→上位50件に表示なし
- 「独自ドメイン」で検索→上位50件に表示なし
- 「サーバ」で検索→上位50件に表示なし
- 「レンタルサーバ」で検索→上位50件に表示なし
- 「ホスティング」で検索→上位50件に表示なし
- 「ホスティングサービス」で検索→上位50件に表示なし
- 「ウェブ制作」で検索→上位50件に表示なし
- 「ウェブ制作会社」で検索→36位にランクイン
- 「ホームページ制作」で検索→上位50件に表示なし
- 「ホームページ制作会社」で検索→上位50件に表示なし
- 「アクセス向上」で検索→上位50件に表示なし
- 「アクセスアップ」で検索→上位50件に表示なし
- 「検索エンジン」で検索→上位50件に表示なし
- 「検索エンジン登録」で検索→上位50件に表示なし
- 「専用線」で検索→上位50件に表示なし
- 「常時接続」で検索→上位50件に表示なし
上位表示という観点からすると惨敗である。かろうじて「ウェブ制作会社」で36位に表示されてはいるが。うーむこれではいかん、ということで、どうすればinfoseekで上位表示できるのか、一から考え直すことにした。
シチュエーションとキーワードを考える
ここでいきなり結論めいたことを書いてしまうが、はっきり言って、上位表示のテクニックといっても裏技のようなものは存在しないと思う。また、存在すべきでないだろう。もし、サイトの内容と直接関係のない小手先のテクニックやスパムまがいのやり方で検索結果の表示順位が左右されてしまうとしたら、検索エンジンそのものの信頼性にかかわる。そうなれば上位表示自体もあまり意味のないものになってしまう。ちなみに、infoseekのヘルプページにFAQがあり、その中で 検索結果の順番はどのように決まっているのですか
という問いに対して、 キーワード検索の結果は、そのキーワードの重要度、出現頻度が計算されます。計算結果をスコアと呼んでいますが、そのスコアが高い順に表示されています
とある。結局のところ、ヒットさせたいキーワードをタイトルや本文、METAタグなどにいかに効果的に盛り込むか、これに尽きると思うのだ。
そこで、最初に行なったのは、訪問者にどんなシチュエーションでどんなキーワードで当サイトにアクセスしてもらいたいかを洗い出してみることである。これは、上位表示云々は別にしても、サイトのコンセプトをはっきりさせる上で意味のあることだと思う。
BRnet Web Paradiseはサブタイトルに「ウェブマスタのための応援サイト」とあるように、主にウェブマスタ向けに、ウェブサイトを立ち上げ、運営していくプロセスで役立つ様々なノウハウを提供していこうというのが基本的なコンセプトである。したがって、「ホスティングサービスの選び方」でウェブ開設三種の神器として挙げた「ドメイン」「サーバ」「コンテンツ」、開設後の関心事として「アクセス向上」、この辺りのノウハウについて知りたい時というのがアクセスする主な動機になってくる(というか、なってほしい)。また、ウェブ制作会社が運営する商用サイトという性格上、それらの情報提供を通じてウェブ制作の顧客も取り込めればという皮算用もある。さらに、ほかに考えられるシチュエーションも含めてキーワードを一通りリストアップすると以下のようになった。
- ドメインについて知りたい時→「ドメイン」「独自ドメイン」「ドメイン取得」「ドメイン登録」
- サーバについて知りたい時→「サーバ」「レンタルサーバ」「ホスティング」「ホスティングサービス」
- ウェブページ制作について知りたい時→「ウェブ制作会社」「WEB制作会社」「Web制作会社」「ウェブコンテンツ制作会社」「ホームページ制作会社」「ホームページ作成ソフト」「ウェブページ作成ソフト」「HTMLエディタ」「ウェブデザイン」「HTML」「JavaScript」「スタイルシート」「CGI」「Perl」「Flash」etc.
- アクセス向上のノウハウについて知りたい時→「アクセス向上」「アクセスアップ」「検索エンジン」「サーチエンジン」「検索エンジン登録」「サーチエンジン登録」「上位表示」「メールマガジン」「バナー広告」etc.
- Eコマース系サイトの経営ノウハウについて知りたい時→「Eコマース」「Eビジネス」「オンラインショップ」「ヴァーチャルモール」etc.
- 危機管理のノウハウについて知りたい時→「セキュリティ」「不正アクセス」「ファイアウォール」「ウイルス」「著作権」etc.
もちろん、これらすべてのキーワードで上位表示を狙おうとしても無理があるし、現状ではまだコンテンツとしてカバーできてない部分が圧倒的に多い。それに、先ほど触れたように検索結果の順位はキーワードの出現頻度(と重要度)で決まってくるとなっている。これは、要は上位表示させたいキーワードはなるべく多く使う必要があるということである。しかし、全体の情報量に限界がある以上、1キーワード当たりの出現頻度を高めるためには、キーワードの種類を厳選しなければならない。そんなところから、ヒットさせたいキーワードを次の17個に絞ることにした。
ドメイン, 独自ドメイン, ドメイン取得, サーバ, レンタルサーバ, ホスティング, ホスティングサービス, ウェブ制作, ウェブコンテンツ制作, ホームページ制作, ウェブ制作会社, ウェブコンテンツ制作会社, ホームページ制作会社, アクセス向上, 検索エンジン, 検索エンジン登録, 上位表示